星とカードとエトセトラ

西洋占星術と、タロット・オラクルリーディング

西洋占星術の「答え合わせ」

ミュージシャンの小山田圭吾氏が、過去の音楽雑誌インタビューで自分の犯した残虐ないじめ行為を反省するでもなく告白していたことで大問題になっています。
わたしもネットのニュースでそのインタビュー記事をチラっと読みましたが、いじめでなくて犯罪と言えるような酷い行為です…


なぜ、今そんな記事が炎上して大問題になるのか、そもそも、出た瞬間にアウトでしょうって感じなのですが、当時は誰もがネットでつながっているわけでもなく、音楽のそんな分野に関心のない多くの人には知られないままだったんでしょうね。なので、これだけ大勢からの非難を浴びるわけでなく、音楽の才を称賛されて生きてこられたのかもしれません。皆から注目されるオリンピックに関わるなど、彼が一線を超えて目立つことがなければ、一生、自分のしたことを謝罪などしなかったのかもしれません。

小山田圭吾氏のネイタルチャートを出してみました。
生まれ時間はわからなかったので、12時で出してあります。
時間がわからないので、ハウスは見ませんし、一日に約12度動く月のオーブは、その分広く考えます。

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アスペクトだけ見ても、特徴ありますよね。
月の位置が不鮮明だとしても、ミスティックレクタングルという珍しいアスペクトが目立ち、個人的な天体、金星が魚座であり、乙女座冥王星オポジション蠍座海王星とトライン、オーブも狭いので、芸術的な才能、夢見る力を表しているのかなと思います。
太陽は水瓶座で、水星とコンジャンクション、天秤座の木星天王星とトラインなので、なんかナチュラルに、突飛な発想やら独特の思い付きを言葉にしそうです。
で、土星牡羊座でノーアスペクトなんですよね。試練がなくてなんだかんだ甘やかされるか、それとも試練だらけか、極端な配置なんです。

特徴はありますけど、この日に生まれた人なら皆このチャートを持っていて、その全員が残酷ないじめをするでしょう、とはならないし、そんなことは言えないんです。
星の配置というのは、その時のエネルギーの流れ方であって、それをどう活用するかは個人の行動にかかっているので。
ただ、占星術的にみると、「こうなんだろうな」と思う点がみつかる、それはこじつけにすぎないかもしれないです。

なぜ、今なのか。
こんな大炎上は小山田圭吾氏にとって初めてで、まさに今、人生の分かれ道とも言える局面。
辞任を表明した昨日の時点でプログレスチャートを見てみました。

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ぱっと目を引くのが、外円のプログレスチャートで、太陽が魚座の29度なんですね。
プログレスチャートで、太陽が星座を移るときって、とても重要なポイントなんですが、ましてや全星座の最後である魚座を終えて、次の牡羊座から新たなサイクルに入ろうとするとき。
人生の新たなサイクル、新たなステージが始まるまさに直前。


そして、実際の天体の動きを見るトランジットを考えても、ネイタル太陽の水瓶座7度・水星11度のあたりを、いま土星が進行しています。
太陽は人生の目的、自分自身ですし、水星は思考・考えを表すとともに、年齢域ではちょうど7歳から15歳くらいまでの多感な時期、小山田圭吾氏がいじめをしていた時期と重なるんですね。そこへ試練の天体、土星がやってきたと。しかも、現在ちょうど11度ぴったりに位置しています。
…なんかちょっと鳥肌たちますね。だから今なのかなと。

何が起こるか、明確な答えはわかりませんが、天体の運行は現実的に決まっているので、この日にはこういうエネルギーが流れる、みたいな占い方をするのが占星術です。
けれど、繰り返しになりますが、小山田圭吾氏と同じ日、同じ時間に生まれても、人生は違う。大雑把な天体のエネルギー(それを衝動として感じられると言ってもいいかも)をどう受け取り、どう人生に反映させるかは、その人個人が決めることなので。
占星術で何が起こるかを前もってクリアに知ることはできません。
大雑把すぎるんです。
芸術も恋愛もお金も、みんな金星の守備範囲とかね。
何かが起こってから答え合わせして、ああそうか、と腑に落ちることもある、そんな感じです。


ある程度、運命的な出来事というのは現象として存在するにせよ、人生の根底には個人の自由意志が必ずあるんだと、わたしは思います。